LIVE MUSIC

ブルーグラスとカントリーを中心とし、モダンフォーク、ウエストコーストロック、ブルース、アイリッシュなど、アメリカ音楽史に関係したジャンルをお送りします。

Bluegrass
ブルーグラスはアコーステックなアンサンブルを奏でるストリングバンド音楽。基本的な楽器編成はバンジョー、マンドリン、ギター、ベース、フィドル(バイオリン)、ドブロ(ハワイアン・スティール・ギターが発展した物)の6種類。特にバンジョー、マンドリン、ドブロは音色や弾き方がユニークで特徴がある。多くの楽曲にソロの歌とハーモニーが伴い、様式美-スタイルとバンドメンバー各個性のインプロバイズ(アドリブ)と技量を楽しむ音楽でもある。1939年、ビルモンローがこの音楽スタイルを作り上げ、一つの音楽形態の創設者、「ブルーグラスの父」と呼ばれるようになる。

Country
カントリーミュージックはロックなど、現在のポップ・ミュージックの母体となったアメリカ南部発祥の音楽。基本的な楽器編成はフィドル(バイオリン)、スティールギター、エレキギター、ベース、ドラムス。幅広い層から支持されているアメリカの国民的でポピュラーな(ロックとポップスの要素を含んだノリのよい)音楽。アメリカへ移入したアイルランド系、イングランド系、スコットランド系移民が持ち込んだ民族音楽などが、アパラチア地方で融合し、カントリーミュージックなどへと発展して行った。ブルーグラスとは音楽的なルーツを共有する。

Modern Folk
1950年代のアメリカ。ピート・シーガーとウッディ・ガスリーらが始めた社会的な問題をメッセージを込めて歌ったムーヴメントが学生達に受け入れられた。影響を受けた学生達はさまざまな思いを込めて自身でも歌い始め、このことが「モダンフォーク」の始まりとなった。清涼感のあるサウンドとハーモニー、ギター一本でも演奏が可能な手軽さ、そしてメッセージ色の強い内容が当時の若者達、特に学生達のニーズに合った。ピーター・ポール&マリー、キングストン・トリオ、ザ・ブラザーズ・フォー、モダン・フォーク・カルテット、ボブ・ディラン、サイモン&ガーファンクル、ティム・バックレーなどが生まれ、モダンフォークを支えた。60年代には、キューバ危機、ベトナム介入、黒人公民権運動などに対する学生運動が盛んになり、モダンフォーク人気は最高潮に達した。その人気は、日本にも飛び火し、安保や原水爆禁止、ベトナム反戦などの運動や学生達の文化として、ある種、自己表現の一つとしても受け入れられた。多くのグループやシンガー・ソング・ライターが生まれ、日本におけるニューミュージックやJ-POPのルーツにもなった。

Westcoast Rock
ウエストコースト・ロックは、1960年代から1970年代中盤にかけてロサンゼルスから発信されたポップ・ミュージックのこと。60年代前半、ビーチボーイズやジャン&ディーンがサーフィンやホットロッド、恋愛を歌ったことに始まる。ギターやドラムから奏でられる軽快なサウンドと美しいヴォーカルのハーモニー が特徴で、全米の若者の心を捉えた。その後、ウエストコースト・ロックは主にカントリーとの融合を進め、「カントリー・ロック」を生み出し、バーズ、フライング・ブリトー・ブラザーズ、バッファロー・スプリングフィールド、ボコ、ドアーズなどを送り出す。また、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング(CSN&Y)、二ール・ヤング、ジャクソン・ブラウン、などによる「ソロ・アーティスト」や黒人音楽のグルーヴ感を導入したドゥービー・ブラザーズやリトル・フィートなどが生まれ、1972年にはイーグルスを誕生させた。青い空、強い日差し、潮風、ビーチ、パームツリー、オープン・カーにフリーウェー。アメリカ西海岸、ウエスト・コーストのイメージは、ウエストコースト・ロックのサウンドと共に人々の心に強く焼き付いた。

Blues
ブルースの起源は、アフリカ大陸から新大陸(アメリカ)へ連れてこられた黒人奴隷達がプランテーション(農園)での綿花の裁培のときに歌った無伴奏の労働歌に始まる。1900年頃から黒人の憂鬱な気分を表現する音楽として南部ミシシッピーから全米各地へ広まり、シカゴ、メンフィス、セントルイスなどの都市や地方から、さまざまなスタイルが生まれた。ブルースは、アメリカ黒人社会、特に黒人労働者達の特性や意向を反映しながら、BBキング、ジョン・リー・フッカー、マディー・ウォーターズなどの巨匠を生み出して行った。ブルースの特徴は、演奏者が自身の「ブルース・憂鬱な気分」を吐き出し、排除するために歌ったり演奏したりすることにある。自分自身や共に体験をした者達の「ブルー(憂鬱)な気分」を特徴あるしゃがれ声などで表現しながら、不安、挫折、逃避、絶望、あるいは希望などを歌い、ギター、ベース、ピアノ、ハーモニカ、サックス、ドラムなどの楽器を使って演奏をする。ブルースは、ジャズの誕生に大きな影響を与え、60年代には、ローリンズ・ストーンズ、ジミ・ヘンドリックス、クリームなど、ブルースに強く影響を受けたロック・バンドが生まれた。

Irish
アイルランド音楽は、主にフィドル、ブズーキ、フルート、ホイッスル、バゥロン(アイルランドの太鼓)やアコーディオンなどの楽器により演奏される、「ケルト」民族文化を継承したアイルランドの伝統音楽。「ケルト」は紀元前1200年頃から、広くヨーロッパ全域に存在したとされるが、ローマ帝国などの出現により、その勢力はほぼ消滅した。唯一侵略を逃れたアイルランドのケルト民族は、大陸のケルトとは異なる文化を持ちながらも、その文化を色濃く後世へと残して行くことになる。一般的にアイルランドの音楽は庶民の陽気なダンス音楽で、楽器を演奏する人、そしてダンスを踊る人という構成で、歌やコーラスが時おり加わる。映画「タイタ二ック」では主人公ジャックが、上層階級の娘ローズを地下船室でのダンスパーティーに連れて行くシーンで演奏れていた音楽でもある。アイルランド音楽は、移民によって世界に広がり、特に新大陸(アメリカ・カナダ)への広がりは後の音楽に多大な影響をおよぼした。カントリーやブルーグラスもアイリッシュミュージックからの影響が大きく、ロックンロールが生まれる流れの基にもなった。

Gypsy Swing
ジプシー・スウィングは、ジプシー音楽とアメリカのスウィング・ジャズが融合したフランス、パリ生まれのお洒落な音楽。1930年代に天才ギターリスト、ジャンゴ・ラインハルトとジャズ・バイオリニストの巨匠、ステファン・グラッペリが、ジプシー音楽にジャズを取り入れたことが始まり。その魅力は、強烈にスィングする歯切れの良いギターのリズムと、それに伴う絶妙なアドリブ・ソロ。熱く、ロマンティックに、ときにはコミカルに、ときには哀愁感たっぷりに、しっとりとしたヨーロッパの町並みを連想させるメロディーが心を捉える。主にギター、バイオリン、コントラバスという楽器が使用されるが、アコーディオンやマンドリン、バンジョー、クラリネットなどが加わることもある。特に、マカフェリと呼ばれるギターの音色は魅力的で、ジプシー・スウィングには欠かせない楽器の一つとなっている。ジャンゴ・ラインハルトとステファン・グラッペリのバンド、フランス・ホットクラブ五重奏団の演奏スタイルは、ホットクラブ・スタイルと呼ばれ、ジプシー・スイングやジャズ・マヌーシュというカテゴリーの元で、多くのフォロワー達を生み出した。

TheOthers
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